発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002047651
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22歳男.室内サッカーを行った翌朝より右腰部から大腿部にかけて疼痛を自覚した.腰椎単純X線正面像で右腸腰筋陰影の著明な拡大を認め,CTでは同部にCT値72.3の占拠性病変を認めた.腸腰筋内に生じた膿瘍による大腿神経麻痺を疑い,ファーストシン投与を行ったが疼痛は持続し,排膿を目的に手術を行った.筋膜を切開すると多量の凝血塊が排出されたが,明らかな膿瘍は確認できず,その他の異常もなかった.術中・術後共に易出血性はなく,創治癒は順調であった.術後18日目に退院したが,その後の血液検査で第IX因性活性が12%に低下しており,軽症の血友病B患者であることが判明した.術後4ヵ月で股関節可動域は正常となり,膝伸展筋力は健側比110%に回復した.内科的には経過観察とされている
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