発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064344
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86歳女.右股関節痛を主訴とした.MRIにて右大腿骨転子部に輝度変化を認めた.造影CT,CTガイド下骨生検にて左腎癌,骨転移と診断され,放射線治療を行うも奏効せず,病的骨折をきたしたため腫瘍用人工骨頭置換術を施行した.術後,伝い歩きが可能となったが転倒し,腫瘍用人工骨頭ステム周辺部の骨折にて再手術を行った.骨折部を整復した後,Dall-Miles Plate and Cable Systemとスクリューで固定したところ,術後12週でX線上骨癒合が得られ,全荷重歩行が可能となった.また,人工骨頭コンポーネントの遠位端にDall-Milesプレートの近位部を合わせ,ケーブルで締結して固定を図ったが,両者の金属摩耗や不安定性は生じていない.自験例では人工骨頭置換術施行時に周辺筋肉の修復,脱臼の予防として中臀筋,外側広筋の腱部をコンポーネントに通したDall-Milesケーブルに縫着したが,結果的に人工骨頭の安定性に有効であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004