発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064346
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29歳男.右下肢腫脹,右下肢壊死部からの排膿を主訴とした.半年前に劇症心筋炎で,経皮的心肺補助法,大動脈バルーンパンピング法を施行された.その後,播種性血管内凝固,多臓器不全,重篤な腸炎,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)敗血症を発症した.今回,右下肢外側遠位部の壊死筋組織が自潰して大腿以下右下肢全体に波動を伴う著明な腫脹を認め,自潰部よりMRSAが検出された.また,MRIにて右下腿筋のほぼ全体に液状融解像がみられ,経皮的心肺補助法後の広範囲下肢筋壊死及び同病変のMRSA感染と診断した.そこで筋肉内血流の遮断や患者の易感染性化を勘案し,内視鏡による低侵襲な段階的壊死組織デブリドマンを行ったところ,段階的に罹患範囲の縮小がみられた.術後6ヵ月時,右下肢の著明な腫脹は消失し,下垂足を認めるものの下肢装具にて独歩可能である
©Nankodo Co., Ltd., 2004