発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064332
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢者大腿骨頸部内側骨折の人工骨頭置換術において早期手術,早期荷重歩行による影響を検討した.1999年1月~2002年6月までに後方進入で人工骨頭置換術を行った60歳以上の大腿骨頸部内側骨折161例を対象とし,2000年8月以前の80例(従来群)とクリニカルパス導入に伴い早期手術と早期荷重歩行を行った2000年9月以降の81例(パス導入群)に分けて比較した結果,パス導入群の術前待機日数,荷重開始時期および入院日数は従来群よりも有意に短縮したが,歩行レベルや転帰に差は認めなかった.また,早期手術や早期歩行に伴う合併症は特に認められず,褥瘡と腓骨神経麻痺は臥床期間の短縮によって有意に減少した.なお従来群では2例(2.5%),パス導入群では3例(3.7%)に術後脱臼が生じ,5例中4例が高度痴呆例であったことより,高度痴呆のある内側骨折症例では骨接合術を第一選択とし,人工骨頭置換術を行う場合は前側方進入を検討すべきであると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004