発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006040989
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大腿骨頸部骨折患者の退院先や退院時歩行能力を調査し,クリティカルパス改定に必要な項目を検討した.人工骨頭置換術のクリティカルパスを使用し,受傷前に歩行が自立していた121例を対象とした.退院先は術後2~3週の患者の歩行能力により主治医が判断した.患者の約半数が術後に転院し,その80%は歩行介助であった.退院時の歩行能力と年齢との関係では,自立群は平均71.4歳,介助群は平均82.5歳であり,有意差が認められた.80歳以上で痴呆がある例は,全例が歩行介助であった.高齢者,痴呆患者では,術後3週間での歩行自立は困難であった.受傷者の生活能力を総合的に判断し,入院時に術後の歩行能力再獲得を予測できる指標の設定と,それに準じたクリティカルパスの改定が必要であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005