発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010265988
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著者らの施設では2007年11月から地域連携クリティカルパス(連携パス)を導入し、地域の回復期病院との連携をすすめてきた。今回、2004年1月~2009年3月に施設で手術した大腿骨近位部骨折患者703例を対象に、その治療経過を連携パス導入前後で比較検討した。その結果、連携パス導入前の症例数は504例、導入後は199例であった。連携パス導入前と比べ導入後は、患者の平均在院数が短縮し、連携パスが在院日数を管理する有効なツールであることが確認された。また、直接自宅へ退院する患者数は減少していたが、リハビリテーション目的の転院が著明に増加し、その他の転院は減少していた。尚、今回の連携パスの解析によると、回復期病院へ転院した症例のうち、78.9%が在宅復帰したことが明らかとなった。以上より、急性期病院に勤務する整形外科医が回復期病院と連携を深めることは、本骨折の在宅復帰率向上につながることが考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010