発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064333
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悪性骨腫瘍広範切除後の下肢長管骨骨欠損に対し血管柄付き遊離腓骨と加温処理骨移植を併用した再建法を施行し,その治療成績を検討した.1996年~2002年3月までに本法で骨欠損を再建した13例を対象とし,骨癒合,荷重歩行,関節可動域(ROM),Enneking機能評価について調査した.対象内訳は男6例,女7例,平均年齢24.8歳であり,全例,平均19.7週にて骨癒合が得られた.部分荷重歩行は術後平均7.4週より開始,Enneking機能評価は平均22.5点であり,7例では膝関節ROMが屈曲120°以上に回復した.術後合併症として骨折3例,感染1例を認めたが,再手術やギプス治療,感染部位の掻爬術にて治癒し,全例無病生存中である.本法は人工充填材料を用いるよりも感染リスクが低く,切断や関節固定術と比較して患肢機能や患者の満足度は比較的高かった.また,早期から関節ROM訓練,荷重歩行が可能であり,患肢機能の温存には有用な再建法であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004