発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039467
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24歳女.左股関節痛を主訴とした.12歳時,ブランコから転落し,左大腿骨頸部内側骨折を受傷した.近医で牽引治療を受けて骨癒合は得られたが,受傷3ヵ月後に左股関節痛が出現した.MRI T1強調画像で左大腿骨頭に帯状の低信号があり,左外傷性大腿骨頭壊死症と診断された.股関節痛は軽度であったため,経過観察となった.17歳時の単純X像では,左大腿部頸部が右に比べて太く,骨頭荷重部の中央に軽度の圧潰があり,関節面から6mmの深さに帯状硬化像があった.23歳時には症状の明らかな進展はなかったが,24歳時誘因なく左股関節痛が増強した.単純X像で,骨頭荷重部に不整像と骨嚢胞があり,頸部外側には遊離体があった.手術適応と判断し,左大腿骨内反骨骨切り術,遊離体摘出術を施行した.術後3年6ヵ月の単純X像は骨頭はリモデリングされて球形となっており,関節裂隙も保たれていた.術後4年の現在,股関節痛はなく,歩行能力は正常である
©Nankodo Co., Ltd., 2004