発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039455
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背側転位型橈骨遠位端関節内骨折に対し,経皮的ピンニング法(ピンニング)および背側プレート固定法(プレート)を行い,それぞれの方法の長所,短所について検討した.9例9関節にピンニングを,8例8関節にプレートを行ったが,両群とも術後のX線学的計測における整復位保持に関する差は認めなかった.ともに橈骨が短縮する傾向にあり,β-TCPを充填したプレート群の2関節が短縮を防止できたことから,骨欠損部に対する骨移植の重要性が確認された.臨床成績不良例は,ピンニング群では橈骨短縮を認めた高齢者であったが,プレート群では整復位がほぼ保たれているもののプレートに起因した反射性交感神経性ジストロフィーを発症した2例であった.ピンニングは非観血的に骨折を整復する手技に熟練を要するが,侵襲は小さいため,プレートと比較して手技に伴う合併症が少なく安全である.しかし,固定力が弱く,術後の外固定を長くする必要があると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004