発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004301344
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
77歳男.主訴は右大腿近位部痛.既往として6年前に大腸癌手術歴があった.X線像で右大腿骨大転子部に病的骨折を伴い,骨吸収像と骨形成像が混在する腫瘍陰影がみられた.大転子生検による腫瘍の病理組織学的検査では大腸癌の骨転移と考えられ,病巣切除と人工骨頭による手術的治療を行った.術後3週より車椅子乗車し,立位訓練を開始,術後3ヵ月にT字杖歩行で退院した.術後5ヵ月で30分間のT字杖歩行,約1年で片脚立位保持が可能となった.1年半後には歩容も安定し,Trendelenburg徴候や跛行は殆どみられなくなった.X線経過では,術後約6週ころより人工骨頭の転子部に石灰沈着様陰影がみられた.その後,陰影は徐々に輪郭を形成しつつ濃度を増し,形態的に大小転子を再現したかのような様相を呈した
©Nankodo Co., Ltd., 2004