発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231717
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11歳女.主訴は左上肢痛であった.初診時,頸椎の可動域は疼痛により制限され,上腕三頭筋以下に徒手筋力テスト2~4の低下と前腕から遠位に知覚鈍麻を認めた.その後,急速に麻痺が進行し,MRIではC7椎体内およびC6-C7脊柱管内左側硬膜外に腫瘍陰影と脊髄の圧排を認めた.さらに排尿障害も出現したため,生検を兼ねた緊急手術で可及的除圧術を施行した.病理診断はEwing肉腫であった.術後1ヵ月のMRIで硬膜外から左の傍脊柱に広がる腫瘍を認めたので,ビンクリスチン,シクロホスファミド,エトポシド,イホマイドの多剤併用療法と55Gyの放射線療法を施行した.退院時,左上肢の筋力低下と筋萎縮は残存するが松葉杖歩行が可能になった.術後1年のMRIではC7椎体は圧潰しているが腫瘍陰影は認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2004