発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004156767
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
三角線維軟骨複合体に生じた石灰沈着性腱炎の1例を経験した.症例は51歳女,特に誘因なく右手関節痛を自覚し, 疼痛は自発痛を伴い,強い運動時痛と右環指,小指のしびれが出現したため受診した.右手関節の自動運動はほぼ不可能で,他動可動域も制限され,尺骨神経領域に軽度の知覚障害を認めた.単純X線撮影で右手関節掌側に否定形の多発性石灰化陰影を認め,非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与したが改善を認めず,知覚障害が増悪したため手術を施行した.術後1ヵ月で反対側の手関節背側部に疼痛と石灰化陰影が出現したが,消炎鎮痛薬投与と局麻薬およびステロイド注入で改善し,術後4ヵ月現在,手関節部の自発痛は消失し,ROM制限,知覚障害も改善している
©Nankodo Co., Ltd., 2003