発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004071676
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25歳女.股関節に発症した滑膜骨軟骨腫症において,単純X線像にて異常をきたさなかった症例について報告した.右股関節痛を主訴とし,歩行に際し患肢への荷重は疼痛のため困難であった.単純X線,CTでは石灰化などの異常を認めず,MRIにてT2強調画像で骨髄と等程度強度の腫瘤が認められた.滑膜骨軟骨腫症の他,色素性絨毛結節滑膜炎(PVS),腫瘍,関節炎が疑われ,確定診断のために観血的に関節切開をした.小転子直上部に関節外滑液包様の腫瘤を認め,関節内へ連続していた.腫瘍部は円形細胞や紡錘形細胞を認め,変性軟骨や骨組織が認められた.滑膜は線維化像,炎症細胞の浸潤が見られた.術翌日より右股関節の可動域(ROM)の著明な改善が認められ,股関節痛も軽快し,術後5ヵ月の現在も経過良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2003