発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241356
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石灰性手関節周囲炎13例(男2例・女11例・平均74.2歳)について検討した。発症から初診日までは5日以内が11例、14日と6ヵ月が各1例であった。臨床症状は、全例で疼痛を認め、11例に腫脹、9例に発赤・熱感を認めた。8例に血液検査を行い、CRPは1例を除き陽性で、ESRも1例以外上昇していたが、WBCは7例が正常であった。石灰沈着部位は、三角線維軟骨複合体周囲10例、遠位橈尺関節、舟状骨、月状骨の周囲が各1例であった。全例に保存的治療を行い、クーリングと非ステロイド性抗炎症薬内服の他、シメチジン内服を10例に、ステロイド(トリアムシノロン)注射を7例に行った。13例中2例は初診以降受診がなかったが、他の11例は全例疼痛が消失した。疼痛消失期間は1~7日で、ステロイド注射+シメチジン内服の6例は平均1.7日と早かった。X線再検査は9例に行い、石灰沈着像は2例で消失し、残り7例でも縮小を認めた。3例に再発を来たしたが、同様の治療で症状は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009