発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003019806
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56歳男.夜間にとくに誘因なく右肩関節痛が出現した.関節穿刺し,化膿性肩関節炎の疑いにて入院した.肝機能障害を指摘された.肝機能障害はC型肝炎からの肝硬変と診断された.生体肝移植の手術予定であったが,肩関節の腫脹,可動域制限に対し,生体肝移植の手術時期の検討を要するため化膿性肩関節炎に対して手術を施行した.術後は持続洗浄と共にセファメジンα,フルマリンを経静脈的に投与した.術後2ヵ月で肩関節に腫脹,疼痛はなくCRPは陰性化したままであった.CRP陰性化後2ヵ月で生体肝移植を実施してもよいという結論が出たが,治療方針の変更により,保存的治療となった.術後1年で肩関節の腫脹,疼痛はなく,肩関節の可動域は改善していた.単純X線像では,上腕骨頭は変形しているが,進行した骨侵食像もなく感染再発の所見はない
©Nankodo Co., Ltd., 2002