発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003019805
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45歳男.とくに誘因なく左肩甲部痛が出現した.単純X線像で左肩甲骨の形態異常を指摘された.骨型ALP(BAP)が有意に上昇し,血清Ca,P値は正常,CRPは陰性であった.画像診断などから線維性骨異形成,原発性或いは転移性骨腫瘍,慢性骨髄炎,単発性骨Paget病が考えられた.骨生検術を施行し,典型的な骨Pagetと診断確定した.ダイドロネルの投与を開始し,ALPと骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリン(DPD)の値で経過観察した.ダイドロネルの投与は6ヵ月間とし,カルシトニン製剤投与は行わなかった.ALP,DPDは共に治療開始後2ヵ月で治療開始前の値の80%以下まで低下し,3ヵ月で正常範囲内まで改善した.6ヵ月間の投与終了時点でALP,DPD共に正常範囲内に維持されていた.左肩甲部痛は消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2002