発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002048227
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39歳男.28歳時に左脛骨骨髄炎の診断で病巣掻爬術を施行されていたが,左股関節痛が出現した.単純X線像で左大腿骨頭に帯状硬化像と扁平化を認め,臼蓋の骨硬化像を認めた.消炎鎮痛薬の内服で疼痛は軽快していたが,重量物運搬で増強し,歩行困難となった.血液検査で血小板の低値,血清酸ホスファターゼ及びアンギオテンシン変換酵素の高値,白血球中グルコセレブロシダーゼ活性の低下を認めた.単純X線で肩関節には両上腕骨頭に硬化像と透亮像が混在し,扁平化を認め,腰椎に骨萎縮と陳旧性L3圧迫骨折,左大腿骨遠位に透亮像と骨皮質の膨隆を認めた.MRIで大腿骨近位部は,右側はT1,T2強調像とも低信号を呈していたが,左側はT2強調像で高・低信号が混在していた.骨頭温存手術の適応はないと判断し,左股関節に対して人工股関節全置換術を施行した.病理組織所見でGaucher細胞の浸潤を認めた.術後1年6ヵ月経過し,疼痛は消失してJOAスコアは術前37点から86点に改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2001