発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002065506
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症例1は69歳女.左手小指球部に疼痛を伴う腫瘤を,環指尺側及び小指橈側に知覚障害を認めた.神経鞘腫を疑い,手術所見で第4指間の総掌側指動脈に指神経を圧迫する腫瘤を認め,これを切除した.症例2は16歳男.左母指尺側に腫瘤を触知し,痺れが出現した.神経鞘腫を疑い,手術所見で左母指尺側固有指動脈に指神経を圧迫する腫瘤を認め,切除した.症例3は31歳男.左手小指球部に圧痛及び拍動を伴う腫瘤を認め,尺骨動脈を圧迫すると腫瘤の拍動は低下した.MRI及びMRA所見で内部が血栓化した尺骨動脈の動脈瘤と診断し,手術を施行した.Guyon管の遠位に,尺骨動脈の浅掌動脈弓移行部と連続する径1.5cmの腫瘤を認めた.腫瘤の両端で尺骨動脈を切離し,腫瘤を摘出した後,尺骨動脈は一期的に端端吻合して血行再建を行った.3症例とも腫瘤の病理組織所見で動脈壁の3層構造を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2001