発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288563
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68歳男。右股関節痛を主訴とした。単純X線で右股関節は末期関節症、左股関節は進行期股関節症で、右大腿骨頭から頸部にかけて骨Paget病に特徴的な骨硬化像と吸収像との混在、骨梁の粗造化、骨皮質の肥厚、骨の輪郭の拡大を認めた。MRIではT1強調像で低信号、一部高信号、T2強調像で高信号を呈した。生検で悪性所見がないことを確認し、右股関節に対し最小侵襲人工股関節全置換術を施行した。病理組織学的所見で広範囲に骨形成と骨吸収の混在した病変を認め、骨梁間は線維化を、肥厚した骨梁はモザイクパターンを示し、骨Paget病の所見であった。術翌日から全荷重で歩行訓練を開始し、術後1週で退院となり、X線で異所性骨化、インプラントの弛みなどは認めず、JOAスコアは術前54点が術後半年で72点、Harris hip scoreは術前44点が術後半年で82点と大幅に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011