発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002033564
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳女.透析目的で入院中で,誘因なく右膝に疼痛・腫脹・熱感を生じ,安静時も体動で右下肢に激痛があり,夜間の不眠・不穏状態が出現した.X線所見では内側関節裂隙狭小,骨棘の変形性膝関節症がみられた.発症6日目に局麻下にサンプチューブを留置し,生食水+パンスポリンによる持続洗浄を行い,関節液の培養でMRSAが検出された.抗生剤投与と持続洗浄を継続したが激痛は軽快せず,疼痛範囲の拡大傾向がみられた.発症23日目に緊急透析後に滑膜切除術を行い,関節内をポビドンヨード液で洗浄後,大腿骨の近位まで可及的に掻爬した後に川嶌式持続洗浄装置を留置した.術後2週2日の洗浄液培養結果ではMRSAは陰性であった.術後1ヵ月で洗浄装置を抜去し,術後2ヵ月のCT所見では大腿骨内側顆部と内側脛骨高原の軟骨面の不整を認めた.術後3ヵ月には可動時痛はかなり減少し,術後5ヵ月で退院となり,術後5ヵ月の現在,膝関節の屈曲制限があり歩行不能であるが可動時痛はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001