発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018853
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74歳男。10年程前に糖尿病を指摘され内服治療の中断・加療を繰り返していた。慢性腎不全状態になっても中断・入退院を繰り返し腎機能は悪化し、鼻出血、ふらつき自覚で入院した。第4病日に大腿静脈にカテーテルの留置、血液透析を開始し数日後に発熱、白血球・CRPの上昇を認めcefazolin(CEZ)を投入したが、カテーテル培養でMRSAを検出したためvancomycin(VCM)に変更した。解熱傾向を認めたがCRPの再上昇と右耳下腺部の発赤腫脹を認め、穿刺液培養でMRSAを検出したためVCMを継続しながら膿瘍ドレナージを行った。CRP陰性化、耳下腺腫脹も消失したが再び発熱、腰痛を認め血液培養でMRSAを検出した。Gaシンチで下位腰椎の集積、MRIでL3~4に病変を認めため、化膿性脊椎炎と診断した。VCMの投与を行うもCRPの再上昇を認め、teicoplanin(TEIC)に変更したところ、腰痛、炎症所見も改善し病変範囲の縮小を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006