発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002033565
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70歳女.1年3ヵ月前に左膝を捻ってから左膝痛が出現し,軽快・増悪を繰り返した.初診時,左関節内に腫脹,膝蓋跳動なく,膝蓋大腿(PF)関節内に圧痛と膝の屈曲・伸展でクリックと索状物を触れた.左膝のMRI軸写像で,膝蓋骨内側のPF関節に線状のプロトン・T2強調画像で低信号のタナと思われる陰影を認めた.外来で保存的に加療していたが,7ヵ月後にPF関節のlockingを訴え,PF関節内下方に膝の屈曲・伸展でクリックと共に出入りする腫瘤を触れた.2回目のMRI軸写像で膝蓋骨内側のタナに接して卵円形のプロトン強調画像で低信号,T2強調画像で等信号の腫瘤陰影を認めたため手術を施行した.関節鏡視では軽度の滑膜増生を認め,肥厚変性したタナに接して白色球形,表面平滑な腫瘤を認め,腫瘤を一塊にして摘出後に変性したタナを切除した.摘出標本の病理組織学的所見から限局性結節性滑膜炎と診断された.手術直後から症状は消失し,術後1年の現在,再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001