消化器癌腹膜播種の最新知見
審査腹腔鏡の現状
野村 尚
1
,
石山 廣志朗
,
福島 紀雅
1山形県立中央病院 外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
偽陰性反応
,
抗腫瘍剤
,
細胞診
,
腫瘍進行度
,
腫瘍播種
,
術前診断
,
腹腔鏡法
,
腹膜腫瘍
,
検査予測値
,
腹腔洗浄
,
ネオアジュバント療法
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Cytodiagnosis
,
False Negative Reactions
,
Gastrectomy
,
Neoplasm Seeding
,
Neoplasm Staging
,
Peritoneal Lavage
,
Peritoneal Neoplasms
,
Laparoscopy
,
Predictive Value of Tests
,
Stomach Neoplasms
,
Neoadjuvant Therapy
pp.925-929
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017380357
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消化器癌の転移形式として腹膜播種は重要な位置を占め,その有無で治療方針や予後が大きく異なる.審査腹腔鏡は腹膜播種の診断法として胃癌においてもっとも一般的に行われている.JCOG0705試験(REGATTA)では腹膜播種症例に対する胃切除の意義が否定され,治療前の腹膜播種診断がより重要となった.また高度進行胃癌に対する術前化学療法が臨床試験や一般臨床で行われようになり,治療前に腹膜播種を否定する必要がある.さらに化学療法の進歩から,化学療法症例に対するconversion therapyが行われるようになり,奏効例における腹膜播種診断が行われている.現在でも腹膜播種の画像診断での診断率は高くなく,審査腹腔鏡にてcP0の症例の35%程度に腹膜播種が検出されている.しかし偽陰性も存在し,陰性(P0)適中率が90%程度である.審査腹腔鏡は低侵襲に腹膜播種診断が可能であり,今後ますます重要になると考えられる.
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