Stage IV胃癌に対する外科治療戦略 切除可能なStage IV胃癌に対する外科治療
CY1のみのStage IV胃癌に対する外科治療
羽藤 慎二
1
,
野崎 功雄
,
落合 亮二
,
小林 成行
,
小畠 誉也
,
大田 耕司
,
棚田 稔
,
栗田 啓
1国立病院機構四国がんセンター 消化器外科
キーワード:
Cisplatin
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
細胞診
,
幽門
,
アジュバント化学療法
,
治療成績
,
比例ハザードモデル
,
腹腔洗浄
,
ネオアジュバント療法
,
TS-1
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Cisplatin
,
Cytodiagnosis
,
Gastrectomy
,
Peritoneal Lavage
,
Pylorus
,
Stomach Neoplasms
,
Proportional Hazards Models
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Treatment Outcome
,
Neoadjuvant Therapy
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.357-362
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016193399
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CY1のみが非治癒因子であるStage IV胃癌に対する至適な治療戦略を考察する目的で,CY1胃癌切除例の治療成績について検討した.P1CY1切除例では生存期間中央値(MST)は13.1ヵ月,3年生存率0%であったのに対し,P0CY1切除例では24.4ヵ月,3年生存率は40%と有意に良好であった.また,P0CY1に対するR1切除例では術後S-1投与例が多く,生存に関する多変量解析の結果,化学療法施行の有無が独立した予後因子であった.R1切除,化学療法が施行されたP0CY1症例のMSTは26.3ヵ月,3年生存率は47.6%であった.CY1以外に非治癒因子を有さない胃癌に対しては,現時点では肉眼的根治切除となる胃切除術に加えてS-1を含む化学療法を行う集学的治療がもっとも治療効果が期待できると考えられる.今後,至適な治療戦略について前向きに検討することが望まれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016