発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017300891
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66歳男。黒色便を主訴とした。上部消化管検査にて胃体上部後壁のH2 stage胃潰瘍と胃体中部小彎前壁側の粘膜下腫瘍を認め、穿刺吸引法による組織検査で確定診断に至らず、腹腔鏡補助下に胃局所切除を施行した。腫瘍は胃小彎側の腹部食道から3cmに位置していたため小開腹下の胃局所切除を行い、Albert-Lembert縫合で逆T字状に縫合閉鎖した。病理検査所見では、粘膜下層を主座に、周囲間質に著明なリンパ球浸潤を伴う腫瘍を認め、粘膜面は再生上皮に覆われ腫瘍細胞は認めなかった。CAM5.2染色陽性であり、Epstein-Barrウイルス(EBV) encoded small RNA in situ hybridization法でEBVを検出したため、EBV関連リンパ球浸潤胃癌と診断した。二期的に開腹幽門側胃切除術+D1郭清を施行し、術後病理検査結果からpT1b、ly0、v0、N0、M0、Stage IAと最終診断した。
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