臨床と研究
痔核注射治療(ALTA治療)の合併症は抗凝固療法症例では生じやすいのか
矢野 孝明
1
1ヤノ肛門外科クリニック
キーワード:
潰瘍
,
狭心症
,
抗凝固剤
,
痔核
,
脳梗塞
,
発熱
,
後向き研究
,
年齢因子
,
びらん
,
Aluminum Potassium Sulfate Hydrate-Tannic Acid
,
Aluminum Sulfate
Keyword:
Age Factors
,
Anticoagulants
,
Angina Pectoris
,
Fever
,
Hemorrhoids
,
Retrospective Studies
,
Ulcer
,
Brain Infarction
,
Aluminum Sulfate
,
OC-108
pp.567-570
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017300890
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2012年11月~2016年11月に痔核に対して硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液を用いた治療(ALTA治療)を行った711例を対象に、治療から1ヵ月以内の合併症の有無を目的変数、性別・年齢・脱出症状・治療した痔核の個数・ALTA合計投与量・抗凝固療法を説明変数とした多変量解析を行った。合併症を認めたのは61例(男35例、女26例、平均年齢54.7±15.4歳)、認めなかったのは650例(男388例、女262例、平均年齢60.0±16.8歳)であり、合併症の発生頻度は8.6%であった。多変量解析の結果、年齢のみが有意なリスク因子であり、抗凝固療法は有意なリスク因子ではなかった。年齢別による合併症の発生頻度は、20歳以下0%(0/3例)、21~40歳13.3%(15/113例)、41~60歳10.3%(23/223例)、61~80歳6.2%(19/305例)、81歳以上6.0%(4/67例)であった。
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