特集 胃癌診断を極める
EBV関連胃癌の内視鏡診断 EBウイルス関連胃癌の内視鏡診断
西川 潤
1
,
柳井 秀雄
,
野柳 彩華
,
首藤 拓也
,
五嶋 敦史
,
橋本 真一
,
岡本 健志
,
小賀 厚徳
,
伊藤 浩史
,
坂井田 功
1山口大学 大学院医学系研究科基礎検査学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎-萎縮性
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
腫瘍浸潤リンパ球
,
Epstein-Barrウイルス感染症
,
Pembrolizumab
Keyword:
Epstein-Barr Virus Infections
,
Stomach Neoplasms
,
Gastritis, Atrophic
,
Gastroscopy
,
Lymphocytes, Tumor-Infiltrating
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Pembrolizumab
pp.121-128
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
EBウイルス関連胃癌は胃癌の約10%を占める。EBウイルス関連胃癌は胃上部・中部に多く存在し、リンパ球浸潤癌が多い。内視鏡的には胃体部~噴門部の陥凹を主体とした病巣が多く、陥凹の周囲に境界不明瞭な隆起を伴い、粘膜下腫瘍様の形態を呈する。超音波内視鏡では第3層に境界明瞭な低エコー腫瘤が観察される。NBI内視鏡では周囲隆起の部分は構造の不整がなく癌の露出がないことが確認でき、陥凹部の強拡大により構造の不整や血管の異型から通常の癌と同様に診断可能である。EBウイルス関連胃癌の背景粘膜にはH.pylori感染胃炎を認め、除菌後にもEBウイルス関連胃癌は発生する。EBウイルス関連胃癌は粘膜下層に浸潤してもリンパ節転移がきわめて少なく、化学療法では免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい、と報告されている。EBウイルスの有無が治療法や経過観察に影響を与えるため、EBウイルス関連胃癌を診断することの重要性が高まってきている。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.