発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015304286
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症例は60歳代女性で、貧血精査のため施行された上部消化管内視鏡検査で穹隆部に広範に拡がった結節集簇病変を認めた。眼瞼結膜に貧血があり、腹部は平坦、軟、圧痛はなかった。血液生化学検査で小球性低色素性貧血を認め、肝胆道系酵素は正常、腎機能も正常でBUNの上昇も認めなかった。腫瘍マーカーはCEA 1.7ng/ml、CA19-9は5.2IU/mlと正常範囲であった。上部消化管造影検査で体上部~穹隆部大彎後壁に顆粒状~結節状隆起が集簇している病変を認めた。腫瘍長径は8cm大であった。明らかな壁変形、糜爛や潰瘍の合併を認めなかった。白色光観察像で噴門部対側の後壁に萎縮の強い粘膜を背景として、長径8cm大の境界明瞭な隆起性病変を認めた。中心部に比較的丈の高い粗大結節状隆起を認め、周囲には結節集簇様で丈の低い大腸のlaterally spreading tumor-granular type(LST-G)のような平坦隆起を形成する病変を認めた。色調は粗大結節および平坦隆起部とも発赤調であった。インジゴカルミン散布像は周辺に拡がる平坦隆起は顆粒状結節の集簇を呈し、境界は明瞭であった。明らかな糜爛や潰瘍形成は認めなかった。
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