発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017128009
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44歳男性。食事摂取後の心窩部違和感と嘔吐を主訴に近医より紹介となった。上部消化管造影では十二指腸水平脚は認められず、造影剤は十二指腸でループを描いた後に右側腹部小腸を通り、骨盤内小腸へと流出していた。下部消化管造影では回腸末端は左下腹部に存在し、右側結腸の左方偏移が認められた。腸回転異常症(malrotation type)と診断し、待機的に腹腔鏡手術が行われたが、術後半年で腸閉塞を短期間に繰り返した。CTおよび上部消化管造影により上部小腸の癒着に伴う通過障害が疑われた。再手術を行なったところ、十二指腸下行脚~上部空腸で腸管どうしが癒着しており、上部空腸はねじれるように口側腸管・右側後腹膜と癒着していた。そこで、癒着を剥離し、剥離面に新たにセプラフィルムを貼付した結果、術後は症状の再燃なく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016