発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078617
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62歳女.腹部膨満感を主訴とした.子宮筋腫の診断で経過観察となっていたが,腫瘤の増大傾向を認め,デスモイド腫瘍を疑われた.腹部CT,MRIでは,骨盤内に,内部に様々な信号強度が混在する境界明瞭な腫瘤を認めた.開腹したところ,腫瘤は直径約25cmで,Treitz靱帯より肛門側約60cmの空腸の腸間膜に存在した.また,小腸間膜から発生しており,25×26cm大,境界明瞭,内部不均一であった.空腸を含めて腫瘤を切除した.病理組織学的には,小腸粘膜下から腸間膜にかけて,膠原線維の強い増生を伴う異型性の乏しい短紡錘形の腫瘍細胞の増殖を認めた.アザン染色,ビメンチン染色では間葉系組織が特異的に染色された.CD34,S-100,ミオグロビン,ケラチン,ALK-1,C-kit,α平滑筋抗体,デスミン免疫染色は陰性であった.腹腔内デスモイド腫瘍と診断した
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