発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032244
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43歳男。下血、意識消失を主訴とした。上下部内視鏡検査と造影CTで明らかな出血源は同定できなかったが、ヘモグロビン値5.4g/dlと貧血が進行し、ショックバイタルを呈したため救急搬送された。大量輸血後の腹部血管造影検査では空腸動脈第2枝の選択的造影により上部空腸からの造影剤漏出を認め、第2空腸動脈の末梢分枝をコイル塞栓し可及的に止血した。翌日のダブルバルーン内視鏡検査では上部空腸に約1cm大の潰瘍を伴う隆起性病変を認め、病変対側の点墨によるマーキング後、reduced port surgeryによる腹腔鏡下小腸切除術を施行した。病理組織学的には粘膜下に長径4mmの著明に拡張した血管を認め、頂部は粘膜の断裂と血管壁の破綻を伴い空腸内腔に出血していた。出血壁にはVictoria Blue HE染色で弾性線維束を認め、粘膜下動脈瘤破裂と診断した。術後経過良好で7日目に自宅退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016