発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402988
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症例1(59歳女性)。他院にて左人工膝関節置換術後に仮性動脈瘤を形成、更にコンパートメント症候群を発症し、左下腿部減張切開術が施行された。だが、術後も腓骨神経麻痺が残存、かつ左膝窩部の腫瘤と疼痛ほか、間欠性跛行を認めたため、著者らの施設へ紹介となった。症例2(75歳女性)。他院にて左人工膝関節置換術施行時に膝窩動脈を損傷した。圧迫止血にて術後の経過は良好であったが、術後14ヵ月目に左膝窩部の有痛性腫瘤、間欠性跛行を認め、著者らの施設へ紹介となった。臨床経過や画像所見より、両症例とも医原性膝窩動脈瘤と診断され、症例1は左膝部後面の瘤内血栓を摘除し、小伏在静脈による血行再建が行われた。一方、症例2は膝窩動脈背側の仮性動脈瘤を切除し、端々吻合した。いずれも術後経過は良好で、下肢の疼痛や圧迫感などの症状は改善した。
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