発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
48歳女。半年前より運動時右足部冷感、しびれ感、右膝深屈曲時痛が続いていた。右膝窩部に拍動を伴う5cm大で弾性硬の腫瘤を認め、足関節上腕血圧比(ABI)は右が0.68と低下していた。CT血管造影像で膝窩動脈は内側偏位し、大腿骨顆上部で急激に外側へ彎曲して同部に35×45×50mmの動脈瘤を形成していた。MRIでは腓腹筋内側頭付着部は外側偏位して大腿骨顆上部のほぼ正中に位置し、膝窩動・静脈間に入り込んでいた。動脈の彎曲は偏位した筋付着部遠位で生じていた。動脈瘤を合併した膝窩動脈捕捉症候群(Delaney分類type II)と診断し、手術を施行した。後方より膝窩部を展開し、腓腹筋内側頭の直下に一部筋腹と癒着した動脈瘤を認め、内側頭筋腹は後方へ圧排され、やや菲薄化していた。同筋を付着部より切離し動脈への圧迫を解除した後、動脈瘤を切除して大伏在静脈による血管置換を行った。術後6ヵ月でABIは1.17に改善し、血行障害、歩行障害はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009