臨床室
Baker嚢胞と誤診し穿刺した膝窩動脈瘤の1例
望月 義人
1
,
橋本 立子
,
小久保 吉恭
,
山崎 隆志
1武蔵野赤十字病院 整形外科
キーワード:
誤診
,
膝窩動脈
,
膝窩嚢胞
,
術後合併症
,
鑑別診断
,
穿刺
,
X線CT
,
動脈瘤
,
動脈瘤破裂
,
バイパス術
Keyword:
Aneurysm
,
Diagnosis, Differential
,
Diagnostic Errors
,
Popliteal Artery
,
Popliteal Cyst
,
Postoperative Complications
,
Punctures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Aneurysm, Ruptured
pp.1249-1251
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015042179
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症例は86歳女で、左膝窩から下腿に疼痛を生じて近医を受診し、左膝窩に弾性・軟の腫瘤が触知されたためBaker嚢胞を疑い、除痛目的に穿刺され、血液が吸引された。その後徐々に左下腿腫脹と疼痛が増悪し、10日後に紹介受診した。左膝窩に10cm大の腫瘤を認めたが拍動は触れず、左下腿の腫脹と皮下血腫が著明であった。右膝窩には5cm大の拍動性腫瘤を認め、両側とも足背動脈と後脛骨動脈は触知可能であった。血液検査ではHbが7.1g/dlと低下していた。膝CTで左80mm大、右45mm大の動脈瘤を認め、左動脈瘤周囲に血腫が存在した。心臓血管外科に治療を依頼し、膝窩動脈瘤破裂の診断で瘤切除とバイパス手術が行われた。術後合併症はなく、自宅退院となった。
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