発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016309860
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症例は76歳男性で、65歳時にS状結腸癌に対して腹腔鏡下結腸切除術を施行された。検診の胃透視検査で胃体上部の異常陰影を指摘された。上部消化管内視鏡検査で胃体上部前壁の3型腫瘍およびその頭側に粘膜下腫瘍を指摘された。上部消化管内視鏡検査所見では、胃体上部前壁に3型腫瘍、その頭側に粘膜下腫瘍を認めた。3型腫瘍は生検で低分化型、印環細胞の成分を含む腺癌と診断した。腹部造影CT所見では、胃体上部前壁に不整な壁肥厚を認め、その頭側に3.4×3.0cmの粘膜下腫瘍を認めた。有意なリンパ節腫大や遠隔転移を疑う所見はなかった。胃癌および胃消化管間質腫瘍(GIST)合併の術前診断で胃全摘術を施行した。病理組織所見により、最終病理診断は胃GISTであった。術後3日目に食事を開始、術後6日目に腹腔ドレーンを抜去した。経過は良好で、術後16日目に自宅退院した。現在は術後補助療法としてTS-1単独療法を施行中である。
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