発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015034374
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症例は47歳男性で、高血圧を指摘され、ベニジピン内服により収縮期血圧140~160mmHg台で推移した。四肢脱力を認めることがあったが自然に改善するため放置した。10ヵ月後、四肢脱力のため体動困難となり救急搬送された。血液検査で著明な低カリウム(K)血症を認め、通常の食事摂取に加えK80mEq/L点滴静注により歩行可能となった。低K血症にもかかわらず尿中K排泄抑制を認めず、動脈血液ガス分析では代謝性アルカローシスを認めた。内分泌学的検査では血漿レニン活性(PRA)低値、血漿アルドステロン(PAC)濃度高値で、アルドステロン・レニン比(ARR)>200であった。その他、小球性貧血、軽度肝障害を認め、CK上昇・CRP上昇を認めた。腹部CTで左副腎に4cmのふたこぶ状腫瘤を認め、化学シフトMRIで一方の腫瘤はアウトオブフェーズにおいて信号低下を示し、脂肪成分含有が示唆された。しかし、他方の腫瘤では信号低下はみられなかった。K補充により四肢脱力は改善し、低K血漿に伴う弛緩性四肢麻痺と考えられた。PRA低値、PAC高値、ARR>200を認め原発性アルドステロン症(PA)と診断した。ガイドラインに基づきACTH負荷選択的副腎静脈サンプリング(AVS)を施行した。
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