発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142691
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30歳女。以前より食欲低下、食後腹痛を自覚しており、今回、検診にて脾嚢胞を指摘された。入院時、左側腹部に圧痛を認め、腫瘍マーカーはCA19-9が高値を示した。腹部CTでは脾臓上極に80mm大の内部均一な嚢胞性病変を認め、一部辺縁に石灰化を認め、胃を圧排していた。脾嚢胞と診断し、症状緩和目的に超音波ガイド下で経皮的に脾嚢胞を穿刺した。内容液は暗赤色で、CA19-9が異常高値、CEAも高値を示し、細胞診で悪性所見は認めなかった。穿刺後に腹痛は消失したが、3ヵ月後の受診時に腹痛の再燃があり、腹部CTで脾嚢胞の再発を認め、腹腔鏡下脾嚢胞天蓋切除術を施行した。病理所見で嚢胞壁は1層の扁平上皮細胞に覆われ、外側に厚い線維組織を認めた。免疫染色では内面上皮がCA19-9陽性を示した。術後経過は良好で、術後半年の検査でCA19-9は正常化し、再発も認めていない。
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