小腸の炎症
その他の炎症性疾患 放射線性小腸炎
永山 学
1
,
矢野 智則
1自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
画像診断
,
消化管出血
,
鑑別診断
,
小腸炎
,
腸閉塞
,
放射線障害
,
放射線療法
,
ダブルバルーン小腸内視鏡法
,
アルゴンプラズマ凝固
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Diagnostic Imaging
,
Enteritis
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Intestinal Obstruction
,
Radiotherapy
,
Radiation Injuries
,
Double-Balloon Enteroscopy
,
Argon Plasma Coagulation
pp.186-190
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015186577
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放射線性小腸炎は放射線治療によって生じる小腸障害で,放射線治療から発症までの期間により早期障害と晩期障害に分類される.早期障害は粘膜傷害により下痢や血便を呈し,放射線治療後には改善する.晩期障害は血管内血栓や間質の線維化により発症し,症状としては下痢や血便(OGIB),低栄養状態,腸管狭窄によるイレウスを呈し,治療に難渋する場合が多い.おもな検査として,造影CT検査では腸管壁肥厚や狭窄,口側拡張を認め,バルーン小腸内視鏡では毛細血管拡張や絨毛の発赤腫大や萎縮,びらん・潰瘍などを認める.バルーン小腸内視鏡は狭窄の鑑別診断や出血に対するアルゴンプラズマ焼灼術においてとくに有用である.
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