発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339739
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
65歳男。右下肢静脈瘤の手術予定であったが、突然右下肢痛が出現し、血管病変の関与が疑われた。血液検査で凝固異常は認めず、MR venographyでは右総腸骨静脈に狭窄を認めた。三次元-CTでは、右総腸骨静脈の狭窄を認め、動脈波拡張病変はないが蛇行しており、静脈の狭窄部位で右総腸骨動脈が圧排していた。血管造影では、右総腸骨静脈の狭窄と発達した側副血行路が描出され、血管内超音波検査では、静脈内狭窄部位に騎乗した動脈の拍動を認めた。静脈内狭窄部位をバルーンで拡張した後、自己拡張型ステントを留置した。留置後の造影で狭窄は焼失し、側副血行路は造影されなかった。術後よりアスピリンとチクロピジンの内服を開始した。術後3ヵ月のCTで静脈ステントの開存を確認でき、右下肢の症状も消失したため、右大伏在静脈ストリッピング手術を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2015