症例
131I内用療法後に呼吸不全をきたした3例
渡辺 憲
1
,
内山 眞幸
,
福田 国彦
1東京慈恵会医科大学 放射線医学講座
キーワード:
ヨウ素放射性同位体
,
Steroids
,
気管切開術
,
病的狭窄
,
抗炎症剤
,
甲状腺腫瘍
,
喉頭鏡法
,
喉頭浮腫
,
呼吸不全
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
X線CT
,
経口投与
,
乳頭状癌
,
放射線療法
Keyword:
Administration, Oral
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Carcinoma, Papillary
,
Constriction, Pathologic
,
Laryngeal Edema
,
Laryngoscopy
,
Iodine Radioisotopes
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Respiratory Insufficiency
,
Radiotherapy
,
Steroids
,
Thyroid Neoplasms
,
Tracheotomy
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.373-378
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016187238
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131I内用療法後に呼吸不全をきたした3例を経験した。症例1は50歳代男性で、脳腫瘍に対して腫瘍摘出術を施行された際に、甲状腺乳頭癌の脳転移と判明した。甲状腺全摘術および両側頸部リンパ節郭清を施行された。右腎転移に対して右腎摘出術を施行し、131I内用療法を施行した。内用1日後に喘鳴、2日後に咽頭浮腫による呼吸苦が出現し、緊急気管切開を行った。症例2は40歳代男性で、検診で肺の結節を指摘された。甲状腺癌の肺転移と診断し、甲状腺全摘術及び頸部リンパ節廓清を施行した。肺転移に対して内用療法を施行し、3回目の治療後から右頸部リンパ節が徐々に増大した。4回目の内用5日後に呼吸苦、頸部圧迫感が出現し、酸素投与のみで症状は速やかに改善した。症例3は80歳代男性で、甲状腺癌に対して甲状腺左葉峡切除及び左頸部リンパ節廓清を行った。その後、再発病変と右頸部リンパ節転移に対して甲状腺右葉切除及び右頸部リンパ節廓清を行った。リンパ節病変が増大傾向で、内用療法を施行した。1日後、左頸部の痛み、嚥下困難が出現した。ステロイドの点滴及び吸入を行い症状は改善傾向であった。
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