発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013101693
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88歳女。3ヵ月前からおむつに鮮血の付着を認めた。1ヵ月前から直腸脱となり用手還納されていたが、直腸脱が頻繁となった。直腸脱、直腸腫瘍の診断で紹介入院した。肛門から長さ約7cmの腸管が脱出し、その先進部に腫瘍を認めた。脱出腸管の還納は容易であった。腹部CT所見では、横断面で高吸収域と低吸収域を交互に繰り返し、同心円層状構造を示す腸重積に特徴的な所見を認めた。矢状断面ではS状結腸癌が先進部となって腸重積し、肛門外に脱出している所見を認めた。S状結腸癌を先進部とする腸重積症と診断し手術を施行した。術後経過は順調で、術後第28病日に退院した。術後1年半経過した現在も、癌再発はもちろんのこと直腸脱の再発も認めていない。
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