発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015285006
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77歳男。転倒して左上腕骨を骨折し、髄内釘挿入手術時に腹部腫瘤が認められた。腹部造影CTでは、下行結腸の内背側に111×112mm大の腫瘤を、膵頭部尾側には15×17mm大の軟部腫瘤を認めたが、PET所見では全身異常集積を認めなかった。後腹膜腫瘍またはgastrointestinal stromal tumorの疑い、および膵頭部リンパ節腫脹または膵原発腫瘤疑いで、腹部腫瘤および膵頭部腫瘤の摘出術を行った。病理組織学的所見では、下行結腸の腫瘤は粘膜下血腫、膵頭部の腫瘤は膵嚢胞であった。患者は腹部打撲を自覚していなかったが、以前より数度転倒を繰り返していたことから外傷性と考えられた。術後経過は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015