発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015199781
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76歳男。腹痛、嘔吐を主訴に、腹部CTにて腹腔内出血を認め、当科紹介となった。血液検査では炎症反応の亢進、著明な貧血、腎機能障害を認め、腹部CTでは肝表、左横隔膜下、骨盤内に多量の血性腹水を認め、腸間膜内には血腫の存在が示唆された。以上より、腹腔内出血と診断し、緊急開腹術を行い、責任血管の同定が困難であっため、出血源を確実に含むと考えられた肝彎曲部の上行結腸から下行結腸までの結腸部分切除を施行した。病理組織学的にsegmental arterial mediolysisにより、中結腸動脈に多発した解離性動脈瘤が破裂し、腹腔内出血をきたしたと考えられた。術後経過は良好で、術後18日目に軽快退院し、その後は現在まで無再発生存中である。
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