発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015199780
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46歳男。42歳時に腹部膨満の増悪を認め、S状結腸軸捻転の診断で結腸切除術を受けた。術後1年で回腸末端捻転を発症し、解除術を受けるも直ぐに腸管拡張が再燃し、イレウス管による加療を受けた。以後約3年間にイレウスによる7回の入院、保存的加療を受けたが、単純X線では常時腸管拡張を認め、45歳時には回盲部捻転壊死に対し右結腸切除を要した。今回、腹部膨満に伴うショックと誤嚥性肺炎で搬入され、13回目の入院となった。腹部単純X線では腸管の拡張が著明であり、臨床経過より慢性偽性腸閉塞症と診断し、回腸双孔式人工肛門を作成した。術後10日目には腹部膨満は消失し、loperamide hydrochloride、五苓散、大建中湯内服と経口摂取、中心静脈ポートからの補液により、腹部膨満をきたすことなく在宅管理中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015