発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004089442
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65歳男.胸部食道癌に対して,食道亜全摘,胸骨後経路頸部食道胃管吻合術を施行された.右頸部痛が出現したため,消炎鎮痛薬(loxoprofen sodium)の内服投与を受けていた.頸部CTで食道癌の頸部リンパ節再発が認められたため,入院となった.cisplatinの化学療法を開始したが,食欲不振,咽気のため1クールで中止した.その後も症状の改善なく,食欲不振が持続するため精査したところ,胸部CTで心嚢内に空気像が認められた.上部消化管内視鏡検査では,発症時には胃管後壁に穿孔の明らかでない潰瘍が認められたが,3週間後の検査で穿通孔が認められた.胸部CTでは心嚢内に空気像が認められた.再建胃管潰瘍の心嚢への穿通と診断された.絶食とし高カロリー輸液,抗生物質投与を行った.又,経口にてプロトンポンプ阻害薬(PPI)を少量の水と共に投与した.発症後5日目から肺炎を併発,徐々に呼吸不全が進行し,発症後48日目に死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003