発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015149832
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84歳男。約3年5ヵ月前に右腋窩アポクリン腺癌切除術、約1年7ヵ月前に左腋窩アポクリン腺癌切除術を受け再発なく経過していたが、今回、下肢筋力低下が出現した。頸椎~胸椎MRIで脊椎がびまん性にT1強調像で不均一低信号を示し、骨および骨髄の腫瘍・転移性病変が疑われた。ガリウムシンチグラフィでは脊椎、両肋骨、右上腕骨、左肩甲骨などに集積を認め、多発骨転移を疑う所見であった。骨生検を施行し、病理組織学的に大型核小体、好酸性顆粒状の豊富な細胞質、断頭分泌像を認め、ARおよびGCDFP-15が陽性、CK20が陰性を示したことからアポクリン腺癌の転移と診断したが、印環細胞成分も含んでおり非常に稀な組織型であると考えられた。高齢や全身状態を考慮し、現状のADL維持を目的としてリハビリテーションのみを継続して行い、自宅退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015