発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008117111
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穿孔性胃十二指腸潰瘍に対する過去5年間における開腹手術症例をretrospectiveに検討し、侵襲の評価、術後合併症の検討から危険因子を抽出した。対象は67症例で、胃切除を21例、単純閉鎖を46例に行った。手術時間、出血量、排ガスまでの期間、経口摂取開始時期、在院日数は、いずれも単純閉鎖群が有意に低値であった。術後合併症は31%にみられ、胃切除群:52%(11例)、単純閉鎖群:22%(10例)であった。全症例における術後合併症の独立因子は、穿孔部位、発症から手術までの経過時間であった。単純閉鎖群における術後合併症の独立因子は、穿孔部位であった。単純閉鎖は胃切除に比べて低侵襲で、重篤な合併症も認められず、第一選択とすることは妥当だと思われた。また、手術までの長時間経過例や胃潰瘍穿孔例は術後合併症と有意に関連しており、適切な治療法の選択が必要だと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007