発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298160
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳女。上腹部痛および背部痛を主訴とした。胸腹部CTでは冠状動脈および胸部大動脈から末梢動脈に至る著明な石灰化を認め、造影CTでは横隔膜直上レベルの胸部下行大動脈瘤(最大短径52mm)とその周囲に血腫を認めた。また、心臓超音波検査では著明な心機能低下と大動脈弁狭窄、僧帽弁・三尖弁の軽度閉鎖不全を認め、胸部下行大動脈瘤破裂と診断した。患者はプレショック状態であり、検査所見よりステントグラフトによる血管内治療を選択し、腹部正中切開アプローチの方針とした。しかし、動脈硬化は予想以上に高度であり、ガイドワイヤーで解離を合併したため、最終的に胸骨正中切開となったが、術後1年時点で動脈瘤の拡大やエンドリークを認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014