今月の話題
高度血栓部分を中枢ネックとしたステントグラフト治療で救命しえた胸腹部大動脈瘤破裂
中尾 佳永
1
,
赤城 治彦
,
入江 寛
,
阪口 昇二
,
酒井 敬
1八尾徳洲会総合病院 心臓血管外科
キーワード:
血管造影
,
血栓症
,
ステント
,
大動脈破裂
,
大動脈瘤-胸部
,
大動脈瘤-腹部
,
三次元イメージング
,
ステントグラフト内挿術
,
腹部CT
Keyword:
Aortic Rupture
,
Angiography
,
Thrombosis
,
Stents
,
Aortic Aneurysm, Abdominal
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.1051-1055
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042046
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51歳男。動脈瘤の破裂部位は腹部大動脈分岐部近傍で、ステントグラフト(SG)治療では腎動脈以下の高度壁在血栓部分を中枢ネック(PN)とした治療を行い、良好な結果が得られた。本例は術前の血行動態が不安定であったため、治療法選択にあたり人工血管置換術はリスクが高く不適と判断され、ハイブリッドSG治療を選択しても重症合併症や手術死亡のリスクが高いと思われた。そこで瘤の破裂部位から、腹部大動脈瘤破裂に対する治療戦略(ステントグラフト内挿術;EVAR)でも救命可能と考え、上記の高度壁在血栓部分をPNに利用したEVARを行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2014