発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343883
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62歳男。心窩部痛を主訴とした。腹部造影CT所見にて、肝円索の左側に胆嚢がみられ、胆嚢壁の肥厚と周囲への炎症波及を認めた。MR胆管膵管造影(MRCP)所見では、胆嚢管は中部胆管左側から分岐しており、胆嚢内に結石による陰影欠損が認められた。以上の所見から、左側胆嚢の胆石胆嚢炎と診断し手術を施行した。整容性を考慮し単孔式手術を試み、臍に縦切開を加え開腹し、創部にラッププロテクターミニタイプおよびEZアクセスを装着し、5mmトロッカーを3本挿入した。右季肋部よりニードル鉗子を刺入し、胆嚢底部の把持および牽引をしたところ、肝円索が腹側へ挙上され視野展開は良好になった。クロスハンド法にて胆嚢に沿って肝円索を剥離し、肝円索より分岐した胆嚢動脈浅枝および深枝をそれぞれ二重クリップ後に切離した。摘出標本の病理所見は慢性胆嚢炎であった。術後経過は良好で、術後5病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014